たておかやすを先生

Profile

東京大学工学部応用化学科卒。日産自動車中央研究所に入社し、研究開発、生産技術、購買、品質保証部門を経て、人事部門で日産ウェイの確立と伝承を推進。

1996年「プロセスパラダイム」提唱、2006年「利他性の経済学~支援が必然となる時代へ」(新曜社)、2012年「世界を変えるSHIEN学」(フィルムアート社)、2014年 「シナジー社会論」(東京大学出版会)など

 

 

静岡大学大学院教授/山城経営研究所エグゼクティブフォーラムコーディネータ/顧客ロイヤリティ協会顧問/SHIEN学会会長/SHIENアカデミー静岡代表理事


略歴


1979年  東京大学工学部応用化学科卒業

・速度論による固体酸触媒の基礎解析

1979年  日産自動車中央研究所材料研究所

・新樹脂材料の開発の推進

・世界初、トップレベルの2材料の開発(国内外特許)

1988年  リサーチャー

1990年 第三技術部樹脂技術課

・世界初、トップレベルの2工法の開発(国内外特許) 

1991年  上級エンジニアに任用

・生産技術の企画技術の推進

・情報技術による生産技術の海外拠拠点への移

1993年  メキシコ拠点の企画、運営

・慢性的メキシコ拠点の黒字化

・生産技術サイマル活動の取りまとめ

1995年  品質保証部プロジェクトの推進

・グローバル品質保証体制の取りまとめ

1996年  プロセスパラダイムを提唱し、支援に関する講演活動を開始

1999年  ストラテジック・アサインメント

2001年  購買技術部

・日産・ルノーグローバルソーシングの推進

2005年  人事部

・NMW(ニッサンマネジメントウェイ)の確立と伝承に従事、支援研究会主宰

・研究分野:パラダイムシフト、支援、複雑系


2002年度 経営情報学会論文賞受賞:

「エージェントの利他性がもたらす経済合理性ー支援定義の精緻化とその含意」。 

スタンフォード大学、北京大学等大学や企業など国内外で多数講演。博士(学術)


論文


エージェントの利他性と企業活動:複雑性の克服を目指し


新世紀に入り企業活動は、空間的にはよりグローバル化、時間的にはより短縮化の道を辿っている。グローバル化とは、異なる経路依存性を持ったエージェント間の調整問題に帰結する。一方、ITの発展等を背景に関係性を飛躍的に高めたエージェント同士が、より短期間に成果を生み出そうとすれば、その動きの連鎖も、複雑性を呈してくる。この両者の状況下では、過去のインプットとアウトプットの関係性を既知とした管理行動は破綻せざるを得ない。本研究は、現在の潮流の本質をパラダイムシフト(“リザルト”パラダイムから“プロセス”パラダイムへの変化)として提言すると共に、現在のプロセスパラダイムに有効な行動様式として支援行為を取り上げ、ビジネス局面でその有効性を具体的に提示するものである。更に、“支援”概念の本質についても新たな提言を行う。



もう一つ先の”支援”:時間概念と空間概念の再構築


支援研究が始まってきた。定義や一般原理が急速に明らかになってきている。本論は現象に伴う複雑性との関係で支援の一般性をまず論じる。更に、時間概念と空間概念の再構築を行ない、支援の本質、合理性の起源に迫る試論を展開する。

Abstract: Research on support behaviors is already well underway. The definitions and general principlesguiding this research are rapidly being refined. This paper first discusses the general principles of support behaviors in relation to the complexities in the current real business environment. Furthermore, reconstructing the concepts of time and space, it proposes a theory that explores the origins of the essence and rationality of support behaviors.



支援マネジメントの可能性:相互浸透過程における責任の扱いと達成について


最近、企業活動においても支援が重要になってきている。関係するエージェントが業務プロセスにおいて、一定の閾値以上の利他性を発揮すると、従来の管理行動様式では解決できない諸矛盾を解決できる。この支援行動の原理と内容の紹介と、それらが経営品質や社会的責任に対してどのような役割を担う可能性があるかについて論述する。「プロセスパラダイム」の時代には支援マネジメントが必須となってくるだろう。


書籍

◆経済・マネジメント思想のパラダイムシフト◆

「利他」「支援」がこれからのキーワードです。各人による最大利益の追求が最大多数の最大幸福につながるという近代経済倫理の果てに起きたのが、地球規模の環境破壊であり、テロと戦争の循環ではないでしょうか。そこから、人も企業も国家も、利他の関係、互いが互いを支援し合う関係を築かなければ未来はない、という認識が生まれているのです。ではこの利他・支援を理念倒れに終わらぬよう、どう理論化できるか、それによって個人、組織、国家はどのように変わるのか、この魅力ある課題に、経済社会の変動や生産現場の実体験に基づいてチャレンジした意欲作です。


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